監督:ケン・ローチ
出演:キリアン・マーフィー、ポードリック・ディレーニー 、リアム・カニンガム、オーラ・フィッツジェラルド、メアリー・リオドン、メアリー・マーフィ、ローレンス・バリー、デミアン・カーニー、マイルス・ホーガン、マーティン・ルーシー、シェイン・ケーシー、ジョン・クリーン、マーティン・ド・コガン、ジェラルド・カーニー、シェイン・ノット、ケヴィン・オブライエン、ウィリアム・ルアン
原題:The Wind That Shakes the Barley
制作:アイルランド、イギリス/2006
URL
場所:早稲田松竹
『麦の穂をゆらす風』を映画館で観るのは、2006年12月8日に続いて2回目。
http://www.ag-n.jp/ag/2006/12/post_363.html
早稲田松竹で、『ジミー、野を駆ける伝説』に続けて『麦の穂をゆらす風』を観た。この二つを比較すると、『ジミー、野を駆ける伝説』のほうがだいぶ柔らかい。凄惨なアイルランド独立戦争そのものを扱った映画と、それから10年後のとある村のコミュニティー・ホールを扱った映画と云う題材の大小以上に、ケン・ローチが歳を取って柔らかくなって来たんじゃないかと、ちょっと推測する。いや、また、人間の激情をあからさまにえぐり出す映画が出て来ることを期待はしているんだけど。
この映画を最初に見た時には、兄弟や幼なじみを処刑しなければならないシーンの残酷さにすっかり当てられていたようだけれど、ケン・ローチのベストに入る映画であることは間違いないとおもう。『ジミー、野を駆ける伝説』と同じようにアイルランドの緑が美しくて、人間にとっての残虐な戦争であってさえも、その雄大な景色の一部と化してしまっている様子は、きつい題材だからこそ空しさがとことん強調されている。素晴らしい映画だとおもう。
→ケン・ローチ→キリアン・マーフィー→アイルランド、イギリス/2006→早稲田松竹→★★★★☆