
監督:ジャック・オーディアール
出演:カルラ・ソフィア・ガスコン、ゾーイ・サルダナ、セレーナ・ゴメス、アドリアナ・パス、マーク・イヴァニール、エドガー・ラミレス
原題:Emilia Pérez
制作:フランス/2024
URL:https://gaga.ne.jp/emiliaperez/
場所:ユナイテッド・シネマ浦和
先月から今月にかけては、アカデミー賞で話題になった作品を観る月間になっている。今回はゾーイ・サルダナが助演女優賞を獲ったジャック・オーディアールの『エミリア・ペレス』。
メキシコの麻薬カルテルのボスであるファン・「マニタス」・デル・モンテ(カルラ・ソフィア・ガスコン)は、弁護士のリタ・モラ・カストロ(ゾーイ・サルダナ)の協力で密かに性別適合手術を受けて、子供の頃から持っていた性の違和感を取り除いて女性として新たな本物の人生を始めることになる。
と云うストーリーは、今年のアカデミー賞授賞式を見たらわかってしまって、麻薬カルテルのボス「マニタス」と、女性となった「マニタス」であるエミリア・ペレスを演じている俳優が、同一人物のカルラ・ソフィア・ガスコンであることの驚きもそれでネタバレしてしまった。まあ、ネタバレ厳禁原理主義では無いので別にそれは良いんだけれども、麻薬カルテルのボスが女性になって別の人生を歩むものの過去のしがらみから逃れられない、だけではちょっと厳しい映画ではあった。
むしろこの映画は、弁護士のリタ・モラ・カストロを演じているゾーイ・サルダナの映画だった。良いように利用されていた女性弁護士が、ふとしたことから知り合った麻薬カルテルのボスの無理な注文をこなすことによって、女性としての尊厳を取り戻すストーリーの映画でもあった。彼女がアカデミー賞の、助演ではなくて、主演女優賞でも良かったのに。
→ジャック・オーディアール→カルラ・ソフィア・ガスコン→フランス/2024→ユナイテッド・シネマ浦和→★★★