監督:クリス・マッケイ
声:山寺宏一、子安武人、小島よしお、沢城みゆき、オカリナ(おかずクラブ)、ゆいP(おかずクラブ)、間宮康弘、雨蘭咲木子
原題:The Lego Batman Movie
制作:アメリカ、デンマーク/2017
URL:http://wwws.warnerbros.co.jp/legobatmanmovie/
場所:109シネマズ木場
フィル・ロード&クリストファー・ミラー監督の『LEGO® ムービー』を、面白いから観てみな、と人に勧められたときに、こんなおもちゃの「レゴ」がぎこちなく動く映画の面白さなんてタカが知れている、と馬鹿にして観に行った。ところが、そんな馬鹿にしていた自分を反対に馬鹿にしたいくらいの、めちゃくちゃに面白い映画だった。実際のおもちゃの「レゴ」が子供に向けて発信している「楽しさ」がめいっぱいに詰まった映画で、大人に対しては子供の頃に無邪気に遊んだ「楽しさ」をおもい出させてくれるような、なんとも素晴らしい映画だった。おそらくその「楽しさ」は、まずは映画としてのシナリオがしっかりしているうえに、シリアスなテーマを内包していながらもそれを前面に押し出さずにおもちゃの「レゴ」で包み隠してしまう奥ゆかしさにあるんだろうとおもう。「楽しさ」なんて、テキトーに見えながらも実際には実が詰まっているギャップにこそあるのだ。
今回のクリス・マッケイ監督の『レゴバットマン ザ・ムービー』もしっかりと『LEGO® ムービー』を継承していた。仲間との「絆」とか、「敵」がいるからこそ「自分」の存在意義があるんだとか、正面切って真面目に云われてしまうとムズムズしてしまうようなテーマを「レゴ」と云うオブラートで包み込んで、過去の「バットマン」シリーズをちゃかしたり、いろんな映画に出てくる悪役達をちゃかしたりしながら、じわーっとテーマが浮き上がってくるような映画に仕上がっていた。ちゃっちく見えていながら、その実、しっかりとした中身のあるものほど凄いものはないなあ。
→クリス・マッケイ→(声)山寺宏一→アメリカ、デンマーク/2017→109シネマズ木場→★★★★