監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:カイル・キャトレット、ヘレナ・ボナム・カーター、カラム・キース・レニー、ニーアム・ウィルソン、ジェイコブ・デイビーズ、ジュディ・デイビス、ドミニク・ピノン
原題:L’extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet
制作:フランス、カナダ/2013
URL:http://spivet.gaga.ne.jp
場所:ユナイテッドシネマとしまえん
何度も云うようだけれど、3D映画が嫌いだ。メガネをかけてまでして、そしてそれによって画面が暗くなるまでして、そこから得られる3D効果が乏しいとおもうからだ。現状の3Dなんて、いくつかの2Dのレイヤーが重なっているの過ぎない。焦点の合ったメインの映像(例えば人の顔のクローズアップとか)の立体的効果はそれなりにあるとおもうけど、それが背景と相まった時に全体として3Dになっているとはまったく見えない。
でも、現状の3D技術を駆使して、映画を観ている人たちを楽しませようと腐心している映画作家の映画は大好きだ。最初にそれを感じたのはマーティン・スコセッシの『ヒューゴの不思議な発明』で、今回の『天才スピヴェット』もそれをとても感じた。あの手、この手を駆使して、いかにして現状の3Dが映画のストーリーに効果をあげるのか追求している。ローアングルからのショットもそうだし、手前に物を配置して奥行きを持たせるショットもそうだし、俯瞰などを多用するのもそうだ。この映画は、今までの3D映画の中でベストだった。
映画なんて、昔の見世物小屋と同じだから、暗〜い、怪しげなところで、何やら得体の知れないものを見て驚かせてもらうものなんだ。ジャン=ピエール・ジュネはそれをちゃんと踏襲している。えらい。
→ジャン=ピエール・ジュネ→カイル・キャトレット→フランス、カナダ/2013→ユナイテッドシネマとしまえん→★★★★