監督:高畑勲
声:朝倉あき、高良健吾、地井武男、宮本信子、高畑淳子、田畑智子、立川志の輔、上川隆也、伊集院光、宇崎竜童、古城環、中村七之助、橋爪功、朝丘雪路、仲代達矢
制作:スタジオジブリ/2013
URL:http://kaguyahime-monogatari.jp
場所:109シネマズ木場
高畑勲と云えば世界名作劇場のアニメーション「赤毛のアン」で、「赤毛のアン」と云えば高畑勲が演出をして、近藤喜文がキャラクターデザイン・作画監督をして、宮崎駿が場面設定・画面構成をした世界名作劇場のアニメーションなわけで、それ以外は考えようもないほどに自分の中では固定してしまっている。もちろん高畑勲には『火垂るの墓』があるわけだけれども、それでもやっぱり「赤毛のアン」以外には考えられない。
この『かぐや姫の物語』は、高畑勲の演出作品としては『ホーホケキョとなりの山田くん』以来の14年ぶりの長編アニメーションになるわけだけど、考えてみたら『平成狸合戦ぽんぽこ』も『ホーホケキョとなりの山田くん』も観ていない。やはり「赤毛のアン」を基本とした場合に、この二つの映画にまったく魅力を感じなかったからだろうとおもう。
でも今回は宣伝効果も手伝って、内容的にも観ようと云う気にさせられたので映画館に足を運んでみた。
『火垂るの墓』と同様に素晴らしい映画だった。1コマごとのクオリティの高さはまるでユーリ・ノルシュテインやフレデリック・バックの短編アニメーションを見ているようだった。ただ、公開からだいぶ時間が経ってしまったので、そのあいだにいろんな情報が、知らなくても良いような情報が入って来てしまったので、そのような芸術的な短編アニメーションと同等のクオリティを求める劇場長編アニメーションと云うものの意味を考えられずには観られなかった。
知らなくても良いような情報とは以下のようなblogの記事。
高畑勲監督作品『かぐや姫の物語』が出来るまで – 1年で365本ひたすら映画を観まくる日記
途中から出典が不明確になってしまうblogではあるのだけれど、以下のインタビューなども合わせて読めば、まあ、現場はめちゃくちゃ大変だったのではないだろうかと想像できる。
【私の時間 シネマ】日常を懸命に生きる大切さを 「かぐや姫の物語」プロデューサー語る
高畑勲は素晴らしい演出家ではあるとおもうんだけど、その気難しさが作品そのものにそのまま出てしまっているような気がして、なぜか「赤毛のアン」以外は愛着を感じることができない。そうだとすると「赤毛のアン」は何だったんだろう? 当時の世界名作劇場と云うアニメーションの制作状況が何か不思議な化学作用を起こさせていたんだろうか。
→高畑勲→(声)朝倉あき→スタジオジブリ/2013→109シネマズ木場→★★★☆