小豆島へ行くにはいろいろなルートがあるのだけれど、自転車を折り畳まずにそのまま乗せられるフェリーが良いとおもって、神戸港発のジャンボフェリーで行くことにした。でも、昼間の便で行ってしまうと、神戸港から小豆島の坂手港まで3時間もかかるので、初日が小豆島へ行くだけでつぶれてしまう。それじゃつまらないので、夜中の1時に神戸港を出発して、高松東港を経由して朝の7時半に小豆島の坂手港に付く便に乗ることにした。
で、そのジャンボフェリーには小さいながらも個室が用意されている。
他人と雑魚寝する畳敷きの部屋よりも、個室の方がくつろげて眠ることが出来るんじゃないかと淡い期待をしたんだけど、いやいや、エンジン音がうるさすぎて無理だった。この個室のある下の階よりも上の階にある雑魚部屋や座席のほうがどちらかというと静かで、わざわざ個室料として2000円も追加する必要はなかったのかもしれない。電源も個室にはないけど各座席には付いているんだし。
眠れないにしても、まどろみの中でウトウトとしていると、しばらくしてからいきなり「ジャンボフェリ〜♪」と音楽が流れ出した。80年代のアイドルが歌うようなポップスの曲で、なんじゃこりゃ、と突っ込みをいれたくなってすっかり目が覚めてしまう。
どうやら高松東港に着いたらしい。時計を見ると午前4時半くらい。この曲のせいでウトウトも出来なくなったので、上の階の座席が並んでいる部屋に行って、iPhoneの充電をしながら、小豆島の事前調査を行う。
午前7時半、坂手港に着く。
さあ、自転車だ!
不安定なサドルで、八巻さんの待つ土庄(とのしょう)港まで行かなければならない。果たして19kmを走りきれるのか。
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おもっていたほど道のりは順調に進んで、きつかったのは草壁港から池田港へ向かう三都(みと)半島の付け根の部分の坂道だけだった。でも、それを越えればあとはスムーズに。1時間半くらいで到着。
すぐさま八巻さんの泊まっているオーキドホテルのフロントの人に聞いて、近くの自転車屋へ行ってみることにする。
サドルのレール部分は規格が統一していて、まあ、なんとか新しいサドルを取り付けることが出来た。料金1800円。
そして、自転車屋のおじさんに、小豆島の寒霞渓(かんかけい)にはこの自転車で登れるとおもいますか? と聞いてみる。
最終日に小豆島の中心部に位置する寒霞渓に行ってみようとおもっていたのだ。
そうしたら、いや〜、無理無理! との返事だった。
登っている人もいるけどね、この小径自転車じゃ無理だろう、とのこと。
すぐさま土庄港に取って返して、自転車は港の自転車置き場に置いて、10時30分の豊島(てしま)行きの高速艇に乗る。
島の生活は船の生活だよなあ。
本数もそんなにないので、船の時間に合わせた生活になる。
ゆったりとした、静かな時間の流れ。
豊島の唐櫃(からと)港ではサウダージ・ブックスの浅野さんが待っていてくれた。
そして、浅野さんの車で豊島を一巡り。
豊島のいろいろなところを見させてもらう。
天気も良くて、島が奇麗だった。
坂手港から自転車で走り出した時に、何かしら、島の匂い、ってものを感じたけど、ああ、それはオリーブだった。
それにプラスして、草壁港あたりでは醤油の匂いだった。
今回の小豆島・豊島行きの目的の一つが、浅野さんに預かってもらっている青空文庫の本がどんな状態なのか見ることだった。
その青空文庫の本は、主に富田さんの書斎にあった本で、およそ1200冊くらいある。
aozorablog:豊島の青空文庫
ここをサロン風に開放すればいいんじゃないかとおもったけど、ちょっと唐櫃港からはあるのかなあ。
まあ、豊島へ行く人なんてそうはいないだろうけど、でも、島にあるリアル青空文庫って雰囲気が好いんだけど。
そして夜は、小豆島の池田港の近くにある「タコのまくら」でのオープニングイベント。
「タコのまくら」は、小豆島でシーカヤックやツアーガイドをしている自然舎の山ちゃん(とみんなからそう呼ばれていた)が開いたお店で、海辺の古民家を改装したお店でものすごく雰囲気が好い。
その様子は以下のブログを参照。
【今日のあるく•みる•きく】小豆島「タコのまくら」に行ってきました。
東京からも私と八巻さん、そしてボイジャーの萩野さん、蒲生さんも来ていて、こちらに移住した平野甲賀さん、公子さん夫妻、内澤旬子さんとも再会できてとても楽しかった。
ちょうど皆既月食もあって、すばらしい夜だった。