監督:ウディ・アレン
出演:ケイト・ブランシェット、アレック・ボールドウィン、サリー・ホーキンス、ボビー・カナヴェイル、ルイス・C・K、アンドリュー・ダイス・クレイ、ピーター・サースガード、マイケル・スタールバーグ、タミー・ブランチャード、マックス・カセラ、アルデン・エーレンライク
原題:Blue Jasmine
制作:アメリカ/2013
URL:http://blue-jasmine.jp
場所:ユナイテッドシネマとしまえん
今年も無事、ウディ・アレンの映画が日本にやって来た。彼もすでに78歳になるので、自分にとっては1983年の『カメレオンマン』から続いている、ウディ・アレンが1年ごとに新作を撮る→日本にちゃんと配給される→いそいそと映画館に足を運ぶ、のサイクルがいつまで維持されるのか、そしてそれが途絶えた時の哀しみというものがどれほどのものなのか、今から考えても寂しくてしかたがない。
この『ブルージャスミン』でケイト・ブランシェットはアカデミー主演女優賞を獲った。WOWOWの授賞式の中継でケイト・ブランシェットの名前が呼ばれた時におもわず「ガラドリエル様!」と叫んでしまったくらいのケイト・ブランシェットのファンなので、この授賞はものすごく嬉しかった。でも、映画を観てみれば授賞は当たり前なくらいの素晴らしい演技で、もしこれで獲れなかったら、一生ノミニーされ続けるだけの女ディカプリオになってしまうんじゃないかとおもうくらいだった。
彼女の演じる「ジャスミン」は、いつものようにウディ・アレン自身が反映されているキャラクターではあるのだけれど、今回はその転落人生をちょっと突き放して描いてみせるので、おそらくウディ・アレンの映画の中で一番の哀憫の念を感じさせる女性のキャラクターなんじゃないかとおもう。ラストシーンの独り言は、まるでビリー・ワイルダー『サンセット大通り』のラストのグロリア・スワンソンのようだった。それにしても、アレック・ボールドウィンにティーンの留学生との浮気をさせるなんて、どこまで自虐的なんだ、ウディ・アレンは!
→ウディ・アレン→ケイト・ブランシェット→アメリカ/2013→ユナイテッドシネマとしまえん→★★★★