監督:リドリー・スコット
出演:ミシェル・ウィリアムズ、クリストファー・プラマー、マーク・ウォールバーグ、チャーリー・プラマー、ティモシー・ハットン、ロマン・デュリス
原題:All the Money in the World
制作:アメリカ/2017
URL:http://getty-ransom.jp
場所:MOVIXさいたま
ウィンストン・チャーチル、トーニャ・ハーディングに続いて、またまた実話の映画化。でも今回は日本人には馴染みの薄い石油王ジャン・ポール・ゲティの孫の誘拐事件のはなし。
ケチで有名だった大富豪ジャン・ポール・ゲティは、孫の誘拐に要求された身代金1,700万ドルの支払いを拒否する。業を煮やした犯人グループが孫の片耳を切り取って送りつけて来た結果、やっと重い腰を上げて身代金の支払いに応じる。それも290万ドルに値切って! でも、なんでだろう? このクリストファー・プラマーが演じた強欲じじいのジャン・ポール・ゲティに嫌悪感をあまり感じなかった。それよりも、チヤホヤされながら育ったであろう世間知らずで軟弱さの見えるゲティの孫に、映画のオープニングからちゃらちゃらローマの街なかを徘徊する姿にまずは不快なイメージを持ってしまって、薬物依存に陥る孫の父親(ジャン・ポール・ゲティの長男)やマーク・ウォールバーグが演じている元CIAの交渉人チェイスの役の立たなさに不快を感じるばかりで、そうなって来ると義理の父親の金ばっかりに頼り切っているミシェル・ウィリアムズが演じている母親にもイライラしてしまった。
この映画はなんだったんだろう? 孫の身代金に応じず、そのあいだにも高額な美術品を買い漁っていた大富豪ジャン・ポール・ゲティだけを非難する気にはまったくなれなかった。身内に大金持ちがいることによって周りに伝播する影響の怖さをブルブルしながら観る映画だった。
だから、そんな映画の中での人物像のことよりも、ちょっと前に話題になった再撮影時のミシェル・ウィリアムズとマーク・ウォールバーグのギャラの男女格差のことばかりが頭をよぎってしまった。
http://www.elle.co.jp/culture/celebgossip/michelle-williams-paygap18_0112
身代金はマーク・ウォールバーグのギャラから払えばいいんだ! と映画を観ながらずっとおもっていた。
→リドリー・スコット→ミシェル・ウィリアムズ→アメリカ/2017→MOVIXさいたま→★★★☆