監督:デヴィッド・ロウリー
出演:ケイシー・アフレック、ルーニー・マーラ、ウィル・オールドハム、ソニア・アセヴェド、ロブ・ザブレッキー、リズ・フランケ
原題:A Ghost Story
制作:アメリカ/2017
URL:http://www.ags-movie.jp
場所:シネマカリテ
映画のタイトルだけを見れば軽いホラー系の映画にも見えるけど、実際には不慮の事故で死んでしまった男の現世への強烈な執着を描いた映画だった。
「ゴースト」となった男が連れ立っていた妻を忘れられずに、ずっとその場所にとどまって妻を見守って行くストーリーではないかと誰もが最初は想像するのだけれど、未亡人となった妻に新しい男が出来てからはなぜかその住んでいた「家」に執着して、未来に向かって永遠ともおもわれる時間そこに居続けるストーリーとなって行くところがとても不思議な映画だった。あとから考えれば、住んでいた「家」への執着に関する夫婦の会話があったことがその伏線で、日本でも幽霊は「人」に憑くことよりも「家」に憑くことのほうが多いんじゃないかと、最近読んだ小野不由美の「営繕かるかや怪異譚」からもおもいあたる部分だった。
ただ、その行為が未来永劫に続くのではなくて、途中から時空をさかのぼって、アメリカの開拓史の時代からその土地の歴史をなぞって行くところがさらに不思議さを増していた。そして、夫婦がその「家」に住んでいたときに聞いたラップ現象が実は「ゴースト」となった男が立てた音だったことがわかる部分をどのように解釈すればいいのか難しかった。自分の生きているこの瞬間にも、先々に死んだ自分の魂の影響が及んでいることの意味を脚本も書いたデビッド・ロウリーに聞いてみたい気がする。
→デヴィッド・ロウリー→ケイシー・アフレック→アメリカ/2017→シネマカリテ→★★★