監督:ロイ・アンダーソン
出演:レスレイ・リヒトワイズ・ベルナルディ、アーニャ・ノバ、タティアーナ・デローナイ、ヤン・エイエ・フェルリンク、トール・フライゲル、カリン・エングマン、マグナス・ウォールグレン、アントン・フォースディック、ファニー・フォースディック
原題:About Endlessness
制作:スウェーデン、ドイツ、ノルウェー/2019
URL:http://www.bitters.co.jp/homosapi/
場所:新宿武蔵野館
いつだったか、WOWOWで『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』と云う映画を見た。1971年公開時の邦題は『純愛日記』と云うタイトルで、約20分ほどカットされたバージョンだったらしい。それが2008年に完全版がリバイバルされて、WOWOWではたしか、そのフルバージョンが放映されていたとおもう。なんとなく「伝説の名画」のような意味合いで受け取っていて、どんな映画なんだろう? と構えてはみたものの、今思い返せばスウェーデンの夏至に行うザリガニパーティのシーンしか印象に残っていない。
ロイ・アンダーソン監督は、その『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』が処女作で、そこから50年も経っているのに、今回の『ホモ・サピエンスの涙』が長編6作目と云う寡作の映画監督だった。
『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』の純粋な映画からすれば、『ホモ・サピエンスの涙』はだいぶ老境に達したスタイルに見えてしまうけれども、人物の動作など、その研ぎ澄まされた省略は、人間と云う変な生き物の生態を客観的に捉えるには最適な手法だったような気もする。ただ、その日本的な「わびさび」にも見えてしまう手法を面白く感じるかどうかは、やはり受け手側に依存してしまうので、評価は二分してしまうのだろうなあ。
→ロイ・アンダーソン→レスレイ・リヒトワイズ→スウェーデン、ドイツ、ノルウェー/2019→新宿武蔵野館→★★★☆