監督:サム・ライミ
出演:ジェームズ・フランコ、ミラ・キュニス、レイチェル・ワイズ、ミシェル・ウィリアムズ、ザック・ブラフ、ジョーイ・キング、アビゲイル・スペンサー、ビル・コッブス、トニー・コックス、テッド・ライミ、ブルース・キャンベル
原題:Oz: The Great and Powerful
制作:アメリカ/2013
URL:http://www.disney.co.jp/movies/oz-hajimari/home.html
場所:新宿ミラノ1
ライマン・フランク・ボームによって書かれた「オズの魔法使い」の前日譚を脚本家のミッチェル・カプナーが新たに書いて、それをサム・ライミが映画化した作品。
1939年にヴィクター・フレミングによって映画化された『オズの魔法使い』があまりにも決定的な映画として、70年後の今をもって誰しもがDVDで楽しむ映画なので、その前日譚を第三者が勝手に映画として形作って、それが目も当てられない映画だとしたらとても残念だなあとおもいつつ映画館に足を運んだのだけれど、『オズの魔法使い』の世界観はそれなりにきちんと継承されていて悪い出来ではなかった。ただ、主人公のオズを演じているジェームズ・フランコの演技が緩くて、女にだらしないダメ男のイメージが徹底できてなくて、最後までただの人の良いにいちゃんにしか見えなかったのが残念だった。これでは、結局はダメ男のままだったのか? それとも自分のダメさ加減を反省して世界に名を成す人間として変貌できるのか? のクライマックスがまったく盛り上がらなくて、オズの内面的な紆余曲折もあまりにも中途半端のままに終わってしまった。
他の役者では、ミシェル・ウィリアムズの「南の魔女グリンダ」は派手さがなくて地味すぎた。でも、ミラ・キュニスの「西の魔女セオドラ」は素晴らしかった。『ブラック・スワン』の時と同じような二面性が彼女の魅力だ。ブルース・キャンベルがチョイ役で出ているのは嬉しかった。
この映画は3D版も用意されていて、それを意識したカットも多数あったので、IMAX3Dで観てみたかった気もする。そうすれば、30%くらいは面白さがアップしていただろうに。
→サム・ライミ→ジェームズ・フランコ→アメリカ/2013→新宿ミラノ1→★★☆