オデッセイ

監督:リドリー・スコット
出演:マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、クリステン・ウィグ、マイケル・ペーニャ、ショーン・ビーン、ケイト・マーラ、セバスチャン・スタン、アクセル・ヘニー、キウェテル・イジョフォー
原題:The Martian
制作:アメリカ/2015
URL:http://www.foxmovies-jp.com/odyssey/
場所:109シネマズ木場

有人火星探査から一人取り残された宇宙飛行士の生存をかけた闘いの映画。

映画のストーリーには、人を安易に感動させられる「鉄板なストーリー」があって、「難病もの」とか「子供をダシに使うもの」とか「動物もの」とか、まあ、いろいろあるんだけど、「生還もの」もそのひとつ。『オデッセイ』はその「生還もの」で、そこにさらにいろんな「鉄板な要素」が加味されていて、てんこ盛り状態になっている映画だった。たとえば、一人でなんでも出来てしまう「居残り佐平次もの」(勝手に『幕末太陽傳』から名付けました)とか、古い技術が危機を救う「アンチ・レガシーもの」(これも勝手に名付けています)とか、みんなの善意が一人を救う「キャプラもの」(『素晴らしき哉、人生!』から!)とか、ここまで畳みかけられたら感動しないわけがない!

と云うわけで、とても楽しめる映画でした。でも、ひねくれものの自分としては、ここまで鉄板の要素を並べられるとかえって鬱屈が溜まってしまって、最後は救出に失敗したマット・デイモンが永遠に火星の周りを回る衛星となってしまって、ああ、マット・デイモンは星になってしまったのね、と地球からみんなが拝むブラックユーモアなラストが欲しいとおもったりしてしまいました。

→リドリー・スコット→マット・デイモン→アメリカ/2015→109シネマズ木場→★★★☆