監督:ロバート・ゼメキス
出演:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、ベン・キングズレー、シャルロット・ルボン、クレマン・シボニー、ジェームズ・バッジ・デール、セザール・ドンボーイ、ベン・シュワルツ、ベネディクト・サミュエル、スティーヴ・ヴァレンタイン
原題:The Walk
制作:アメリカ/2015
URL:http://www.thewalk-movie.jp
場所:ユナイテッド・シネマとしまえん
大きなバジェットのアクション映画は同時に3Dも作られるようになって久しいけど、やっぱり監督によっては安易な3D化しか考えてなくて、これなら2Dで充分、とおもう映画も少なくない。もしかすると、3Dの効果を充分に引き出せるか、出せないかで、監督そのものの資質がわかってしまうんじゃないかとおもったりもする。全部を観てきたわけじゃないけど、今までの3D映画で、素晴らしい! とおもった作品は、マーティン・スコセッシ『ヒューゴの不思議な発明』、アルフォンソ・キュアロン『ゼロ・グラビティ』、ジャン=ピエール・ジュネ『天才スピヴェット』、ジャン=リュック・ゴダール『さらば、愛の言葉よ』。そして、ロバート・ゼメキスの『ザ・ウォーク』も新たにそこに加わった。
ニューヨークにあったワールド・トレード・センターのツインタワーにワイヤーをかけて、そこを命綱なしで綱渡りを行った大道芸人のフィリップ・プティを描いたこの映画は、奥行きを見せることが得意な現在の3Dの方式にはぴったりの題材で、高低差を俯瞰から捉えた映像はまさに3D効果の真骨頂だった。高所恐怖症の自分にとってはそんなものをIMAX 3Dで観たら、もしかすると途中で逃げ出してしまうんじゃないかと危惧していたけれど、最初にフィリップ・プティがツインタワーを渡り切ってみんなと祝福を交わした時、えっ? もう終わり? と嘆くくらいにその3D効果を堪能してしまって、恐怖症どころの騒ぎではない不思議な恍惚感のあるまさに「ザ・3D」のような映画だった。
前々から云っているのだけれど、3D映画なんて昔のお化け屋敷やフリークショーのような怖いもの見たさで覗くゾエトロープなわけだから、そこで綱渡りの大道芸を見るのはまさしく大正解の内容の映画だった。
→ロバート・ゼメキス→ジョゼフ・ゴードン=レヴィット→アメリカ/2015→ユナイテッド・シネマとしまえん→★★★★