監督:ガス・ヴァン・サント
出演:マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツ、鶴見辰吾
原題:The Sea of Trees
制作:アメリカ/2015
URL:http://tsuiokunomori.jp
場所:109シネマズ菖蒲
ガス・ヴァン・サントが撮った映画で、マシュー・マコノヒーと渡辺謙が共演して、それも富士山麓の青木ヶ原で二人芝居をする映画と云うのならば、それだけで日本でも話題になるとおもうんだけど、ゴールデンウィークなのにあまりお客が入っていなかった。単館系に分類されるだろう映画なのに何でシネコンのキャパシティで公開したんだろう? 渡辺謙が出ているからかなあ。だったらもうちょっと宣伝しないと。
亡くなった妻に対する罪の意識から死に場所を求めて日本の青木ヶ原にやって来たマシュー・マコノヒーが、すでに自殺に失敗して青木ヶ原を彷徨っていた日本のサラリーマン(渡辺謙)と遭遇し、一緒に青木ヶ原から脱出しようと試みる過程で、妻(ナオミ・ワッツ)と一緒に暮らしてきた過去のエピソードがフラッシュバックして、次第に「死」を求めた自分の罪の意識が和らいで行くと云うストーリー。
映画としてはそんなに目新しいストーリーではないけれど、やはり舞台が日本(実際のロケはアメリカらしい)であるし、渡辺謙がリストラされて自殺しようとしているサラリーマンと云う設定なので、それだけで映画の中にのめり込むことができる。
いろんなキーワードも謎めいていて楽しい。
・『巴里のアメリカ人』の“I’ll build a stairway to paradise(天国への階段)”
・「ヘンゼルとグレーテル」
・「キイロ」と「フユ」
おそらく渡辺謙は、マシュー・マコノヒーに投影されたナオミ・ワッツの意識が顕在化した「霊」のようなものだとおもうので無理が出てしまう可能性があるけど、できればもっと日本的な昔話や神話、富士山信仰などが絡んでいると日本人としてはもっと嬉しかった。
→ガス・ヴァン・サント→マシュー・マコノヒー→アメリカ/2015→109シネマズ菖蒲→★★★☆