海辺のポーリーヌ

監督:エリック・ロメール
出演:アマンダ・ラングレ、アリエル・ドンバール、パスカル・グレゴリー、フェオドール・アトキン、シモン・ド・ラ・ブロス、ロゼット
原題:Pauline à la plage
制作:フランス/1983
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場所:角川シネマ有楽町

エリック・ロメールの3本目は、ノルマンディーの別荘にやってきた15歳の少女ポーリーヌと従姉マリオンが海辺で出会う男たちとの会話劇。

今までの『モード家の一夜』と『友だちの恋人』に比べると、夏の避暑地が舞台の所為か開放的な男女関係がベースとなっているために、どちらかと云うと主人公の慎ましやかで内向的な性格に対して共感が向いてしまう自分にとってはあまり楽しめるシチュエーションではなかった上に、この映画の中での唯一、内向性を代表しているようなピエールが、見るからに女好きでちょいワルはげおやじアンリに負けてマリオンを取られてしまうストーリーも、そこに何か特別な思いが入り込む余地がまったくなかった。

マリオンとアンリ、ピエールの関係と平行するようにポーリーヌとシルヴァンの関係が同時進行するんだけど、そのふたつの対比がもっと明確に浮かび上がって来るようなストーリーだったら、たとえ片方で内向性が外向性に負けるシチュエーションだとしても、もっとポーリーヌとシルヴァンの爽やかな関係性に目が向いていたのに。なんだか、そのふたつのグループの情事は、ただ単純に並んでいるに過ぎなかった。

→エリック・ロメール→アマンダ・ラングレ→フランス/1983→角川シネマ有楽町→★★★