監督:エリック・ロメール
出演:マリー・リヴィエール、リサ・エレディア、ヴァンサン・ゴーティエ、ベアトリス・ロマン
原題:Le Rayon Vert
制作:フランス/1986
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場所:角川シネマ有楽町
エリック・ロメールの5本目の映画は、相当に「めんどくさい女」が主人公の映画だった。一人でいるのがイヤなくせにあいつとは一緒にいたくないだとか、こういうことをやったら良いんじゃない?との提案にそんなことはやりたくないだとか、ちょっと気に入らないことがあると「なんて可哀相な私」を演出して泣き出すとか、うーん、これは酷い、酷すぎる。この主人公には何も共感するところがない。最後、その「めんどくさい女」と付き合うことになって、一緒に「緑の光線」を見ることになる男に対して、おいおいその女でいいのかよ、とおもうしかなかった。
でも、『モード家の一夜』の宗教に支配された男の煮え切らなさ、『友だちの恋人』のちょっと内向的で繊細な感じ、『海辺のポーリーヌ』の解放感、『クレールの膝』のフェティシズムもどき、と来て、この『緑の光線』が来るのはバリエーションとしてベストだったのかもしれない。
それにしてもパリに住んでいる人たちにとっての、夏の長期休暇にバカンスにも行かずにそのままパリにいるのは恥ずかしい、と云う焦燥感を持つ残念さは、「周囲と同じことをする」安心感でみんなと同じ時にしか長期休暇を取れない日本人の残念さと似ているなあ。
→エリック・ロメール→マリー・リヴィエール→フランス/1986→角川シネマ有楽町→★★★☆