監督:中村義洋
出演:阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、寺脇康文、千葉雄大、西村雅彦、きたろう、橋本一郎、中本賢、上田耕一、堀部圭亮、山本舞香、重岡大毅、羽生結弦、松田龍平、草笛光子、山崎努
制作:『殿、利息でござる!』製作委員会/2016
URL:http://tono-gozaru.jp
場所:丸の内ピカデリー2
本当はエリック・ロメールを観たかったけど、動員と云う名の付き合いで『殿、利息でござる!』を観る。
御上から搾取されている貧しい宿場町を救うために農民+商人たちが立ち上がり、その中でも裕福な有志がお金を出し合って、それを殿様に貸して、その利息を取って、宿場町の困窮を救うと云う実話に基づいたストーリーは面白いのだけれど、それをシナリオとしてまとめるときにあまりにもフツーと云うか、工夫がないと云うか、映画的な興奮がないと云うか。
少なくとも山崎努と阿部サダヲと妻夫木聡の親子関係が明らかになるくだりは、もうちょっとひとひねりもふたひねりもないと、そうだったのか!の快感がまったく湧かなかった。それに、ファーストシーンに持って来た山崎努と夜逃げする家族のエピソードは、途中で何かしら触れてくれないと、真実が明らかになった時の唐突感がはなはだしい。妻夫木聡の目のこともそうだけど、すべてのエピソードが羅列してあるだけで、その前後の繋がりが希薄すぎる。
俳優は、農民たちからの陳情を最終的に受け付ける出入司(財政担当者)を演じた松田龍平が素晴らしかった。あの冷たい演技は『野獣死すべし』の松田優作をおもいだした。
→中村義洋→阿部サダヲ→『殿、利息でござる!』製作委員会/2016→丸の内ピカデリー2→★★☆