エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に

監督:リチャード・リンクレイター
出演:ブレイク・ジェンナー、ゾーイ・ドゥイッチ、ウィル・ブリテン、ライアン・グスマン、タイラー・ホークリン、グレン・パウエル、ワイアット・ラッセル、フォレスト・ヴィッケリー、テンプル・ベイカー、タナー・カリーナ、オースティン・アメリオ、ジャストン・ストリート、クイントン・ジョンソン、ドーラ・マディソン・バージ
原題:Everybody Wants Some!!
制作:アメリカ/2016
URL:http://everybodywantssome.jp
場所:新宿武蔵野館

リチャード・リンクレイター監督の経歴をしっかりと読む機会がなかったのだけれど、この映画を観たきっかけで公式サイトの「スタッフ」の項目を読んでみると、「野球選手として奨学金を受けて、サム・ヒューストン大学に進学するも、持病が原因で引退。映画監督への道を進む。」なんだそうだ。この『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』は、1980年の夏を舞台にした大学野球部の青春群像劇なので、つまり、彼の自伝的映画だったのだ。にしては、昔のジョン・ランディス監督の『アニマルハウス』のような、酒と女とドラック+80年代の音楽の、おバカで下品な映画で、彼の得意とする会話劇は充分に楽しめるものの、観終わってもなーんにも残らない映画だった。

かと云って、別につまらなかった訳でもなく、子供の頃から道徳教育を受けて育つ日本人にはとうてい真似のすることのできない、アメリカ人のノーテンキさがつまった映画にはどこか憧れにも似た感情を持って観てしまう。

アメリカの大学の「野球部」と云う目線でこの映画を観ても、日本のトップ選手がメジャーリーグへ行っても、出来て「上の下」くらいの成績しか収められないのは、やっぱりこのアメリカ人のクレイジーさが足りないからなんだろうなあ、と。修行僧のような、ベクトルの違うクレイジーなレベルに行ってしまったイチローは別格として。

→リチャード・リンクレイター→ブレイク・ジェンナー→アメリカ/2016→新宿武蔵野館→★★★☆