監督:ジョニー・トー
出演:ルイス・クー、ビッキー・チャオ、ウォレス・チョン、エディ・チョン、ロー・ホイパン、ラム・シュー
原題:三人行 Three
制作:香港、中国/2016
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場所:新宿武蔵野館

ジョニー・トーがあまりにも多作で、すべてが劇場公開されるわけでもなく、映画祭などで上映されるだけの場合もあるのでポツポツとしか作品を追えていないのだけれど、観ることができれば充分に楽しめる映画を作ってくれている。

今回の『ホワイト・バレット』は、まるでポール・トーマス・アンダーソンの『マグノリア』のような、それぞれの登場人物たちが時間を追うごとにどんどんと仕事に行き詰まって行って、もうにっちもさっちも行かなくなってしまった状態で、その負のパワーのすべて集約して段階で大爆発を起こす映画だった。そしてその大爆発のシーンが、ジョニー・トーが得意とする視点移動によるスローモション撮影で、これでもか! と云うほどに、コテコテなガン・アクションが長回しで展開されるので、そこにはもうただ笑うしかなかった。

ラストへの大爆発までの過程で、ちょこちょこと伏線がはられていて、それがあまりにも細かかったり、さらりと描かれていたりして、うーん、紙袋に入った拳銃はいったいなんだ? とか、どうしてそんなに口笛の曲を重要視するんだろう? とか、その手錠の鍵は偶然に落ちていただけじゃないか! とか、頭の中でグルグル、ゴチャゴチャと考えながら映画を観ていたのだけれど、最後の大爆発でそんなのどーでも良くなってしまった。もう大爆笑あるのみ!

→ジョニー・トー→ルイス・クー→香港、中国/2016→新宿武蔵野館→★★★☆