監督:ケリー・フレモン・クレイグ
出演:ヘイリー・スタインフェルド、ウッディ・ハレルソン、キーラ・セジウィック、ブレイク・ジェナー、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ヘイデン・ゼトー、メレディス・モンロー
原題:The Edge of Seventeen
制作:アメリカ/2016
URL:http://www.sweet17monster.com
場所:新宿シネマカリテ

同じ年代の子たちからは浮いていて、彼女たちの常識からすれば外れた行動をするので友達もいなくて、かと云って同級生からいじめを受けているわけではなく、どこか、常人から見ればおかしな方向に突っ張って生きているような女の子が主人公の映画がアメリカではたまに作られる。『ゴーストワールド』とか『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』とか『JUNO/ジュノ』とか。この映画群が、なぜかめちゃくちゃ面白い。このへんてこりんな女の子たちがとても愛おしく感じてしまうのは性格的に自分に近いものを感じるからなのかなあ。

『スウィート17モンスター』もそんな映画群の一つだった。まったく自分に自信を持てない主人公のネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)は、自信がないと云っておきながらも内向的になるわけではなくて、どちらかと云えば確固たる自分の世界があって、そこでの自尊自大な空回りが、もう、小憎らしいけど可愛くて、笑っちゃうけど泣けてくる映画だった。この映画が初監督作品で脚本も書いたケリー・フレモン・クレイグは、女性であるからこそ撮ることの出来るような描写が満載で、アメリカのこの世代の女の子たちに蔓延しているだろうジャンクな食生活とか、同世代の子が着ないようなダサいながらもネイディーンにぴったりの服装とか、スマートフォンでのショートメッセージのクールなやり取りとか、その一つ一つのリアリティがこの映画の面白さを下支えしていた。

ヘイリー・スタインフェルドは、コーエン兄弟の『トゥルー・グリット』やジョン・カーニーの『はじまりのうた』と、いままでの出演作品にとても恵まれていて、この映画のネイディーンも彼女にぴったりのキャラクターだった。それに、いつの間にか、ヒット曲も飛ばしていた!

→ケリー・フレモン・クレイグ→ヘイリー・スタインフェルド→アメリカ/2016→新宿シネマカリテ→★★★★