監督:エリック・ロメール
出演:アンヌ・ティセードル、フロランス・ダレル、ユーグ・ケステル、エロワーズ・ベネット、ソフィー・ロビン
原題:Conte de Printemps
制作:フランス/1990
URL:http://mermaidfilms.co.jp/rohmer2017/
場所:角川シネマ有楽町
昨年に続いてエリック・ロメール監督特集「ロメールと女たち」が角川シネマ有楽町で開かれていて、今回は「四季編」とサブタイトルが付いている。なので、まずは「四季の物語」シリーズ(Les Contes des quatre saisons)の最初の『春のソナタ』を観た。
エリック・ロメールの映画に出てくる女の人たちは、総じて、めんどくさい。スパッと竹を割ったような、さっぱりとした女性はなかなか登場しない。この『春のソナタ』のジャンヌ(アンヌ・ティセードル)も哲学の教師と云う設定もあって、さらにめんどくさかった。でも、エリック・ロメールの映画の面白さは、この、めんどくさい部分にあるのは間違いなくて、めんどくさいもの同士が集まって会話をすれば、さらにめんどくさい状況に陥って、そうなると、もうにっちもさっちも行かなくなって、その状況を笑うしかなくなってくる。そうすると、考えてみれば自分も相当めんどくさいんだよなあ、と自分を振り返ることとなって、エリック・ロメールの登場人物たちに自分を寄せてしまってしみじみとしてしまう。
この映画は女性だけではなくて、男もめんどくさかった。ナターシャの父親もめんどくさいし、会話にしか登場しないジャンヌの彼氏もめんどくさいし、ちょっとしか登場しないナターシャの彼氏だってめんどくさく感じてしまうじゃないか!
めんどくさい人間万歳!
→エリック・ロメール→アンヌ・ティセードル→フランス/1990→角川シネマ有楽町→★★★☆