監督:エリック・ロメール
出演:バーベット・シュローダー、ベルトラン・タヴェルニエ、フレッド・ユンク、ミシェル・ジラルドン、クローディーヌ・スブリエ/カトリーヌ・セー、フィリップ・ブーザン、クリスチャン・シャリエール、ディアーヌ・ウィルキンソン
原題:La Boulangère de Monceau / La Carrière de Suzanne
制作:フランス/1963
URL:http://mermaidfilms.co.jp/rohmer2017/
場所:角川シネマ有楽町
昨年から今年にかけて、いままであまり見ることのなかったエリック・ロメール監督の映画を立て続けに観ることができて、主人公の生活範囲だけで繰り広げられる会話劇スタイルが自分の好みであることがだんだんとわかって来た。ただ、この期間に観た映画の中でも1969年に作られた『モード家の一夜』だけは、まだそのスタイルへ入る以前の、ヌーベルバーグ臭がぷんぷんとする映画で、ああ、彼にも自分のスタイルを確立する以前の尖った時代もあったんだなあと、それはそれでとても面白かった。
今回の二つの短編も、長編映画を撮る以前の習作のような短編で、とは云え、さすがにゴダールやトリュフォーと同じように、もうすでにきっちりと完成した映画で、以降のエリック・ロメールのスタイルをこの段階で垣間見ることができるのも驚きだった。特に『モンソーのパン屋の女の子』は、主人公がのちに映画監督となるバーベット・シュローダーで、ナレーションがやはり映画監督となるベルトラン・タヴェルニエであるところも、そののちに多くの才能が開花して行った源泉を見るようでとても面白かった。
→エリック・ロメール→バーベット・シュローダー、カトリーヌ・セー→フランス/1963→角川シネマ有楽町→★★★☆