監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー、マイケル・スタールバーグ、マーク・オブライエン、ツィ・マー
原題:Arrival
制作:アメリカ/2016
URL:http://www.message-movie.jp
場所:ユナイテッド・シネマ浦和

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』を2回観ると云うことは、すでにどんな結末を迎えるのかがわかったうえで、そのストーリーを見て行くことになる。これはつまり、テッド・チャンの「あなたの人生の物語」の中で云っている、

“それら”はあらゆる事象を同時に経験し、その根源に潜む目的を知覚する。最小化、最大化という目的を。

をこの映画の中で疑似体験できることを意味しているのかもしれない。『メッセージ』は、そう云った意味においても、原作の中に潜んでいるテーマを実際に踏襲できる素晴らしい映画ではないかとおもう。

『メッセージ』を観賞する時に、主人公に感情を移入をして見て行くのならば、2回目の観賞ではすでにエイミー・アダムスがどのような行動を起こすか理解していて、それをわかったうえで彼女の行動をなぞって見て行くことになる。この場合、エイミー・アダムスの人生における「根源に潜む目的」は、その「最大化」としては、娘が自分よりも早く死を迎えることが解っていたとしても、一緒に過ごした日々を、言い争ったことも含めて、ハッピーなこととして認識することではないかとおもう。で、そのことを同時に体験することがこの映画の最大の目的であると同時に、このストーリーを2度観ることによって映画を「より楽しむ」ことが、鑑賞者たる「私」の「最大化」なのかもしれない。

原作を読まずに映画を観る。

原作を読む。

2度目の映画を観る。

を行うことによって、この『メッセージ』を「より楽しむ」ことができた。メディアミックスは、時には素晴らしい「最大化」の相乗効果を生むことになる。

→ドゥニ・ヴィルヌーヴ→エイミー・アダムス→アメリカ/2016→ユナイテッド・シネマ浦和→★★★★