監督:ジム・ジャームッシュ
出演:イギー・ポップ、ロン・アシュトン、スコット・アシュトン、ジェームズ・ウィリアムソン、スティーブ・マッケイ、マイク・ワット、キャシー・アシュトン、ダニー・フィールズ
原題:Gimme Danger
制作:アメリカ/2016
URL:http://movie-gimmedanger.com
場所:新宿シネマカリテ
イギー・ポップの名前だけは聞いたことがあった。ただ、曲も聞いたことがないし、どのような音楽を演奏しているのかもよく知らなかった。それなのに、ジム・ジャームッシュが監督をしたドキュメンタリーと云うだけで観に行ってしまった。
ジム・ジャームッシュの『ギミー・デンジャー』の中でイギー・ポップが歌っているスタイルを見て、その裸の上半身をピンと直立させて歌う姿勢や、観客席へのダイブや、ステージ上での破天荒な振る舞いが、その後に出てきたパンクバンドやロックバンドに多大な影響を与えていることがよくわかった。ここまでイギー・ポップが今のミュージック・シーンの先駆者だったとは! そんなことをまったく知らない自分が恥ずかしいくらいだった。そしてその先駆者たるイギー・ポップの凄みがインタビューを受ける彼の顔からにじみ出ていることにも圧倒されてしまった。どんな分野でもひとつの時代を切り開いてきた人間の重みは自ずと顔の表情に現れてくるもので、ドキュメンタリーはそれを後世に残す重要な手立てだった。
それから、イギー・ポップと一緒に演奏をしてきた「ザ・ストゥージズ」のメンバーにもさまざまな歴史があって、彼らの支えがあってこそイギー・ポップが存在できたとことをドキュメンタリーとしてしっかりと抑えているところにもジム・ジャームッシュの愛が感じられて素晴らしかった。
→ジム・ジャームッシュ→イギー・ポップ→アメリカ/2016→新宿シネマカリテ→★★★☆