監督:ハーモニー・コリン
出演:セレーナ・ゴメス、ヴァネッサ・ハジェンズ、アシュレイ・ベンソン、レイチェル・コリン、ジェームズ・フランコ、グッチ・メイン、ヘザー・モリス、ジェフ・ジャレット
原題:Spring Breakers
制作:アメリカ/2013
URL:http://www.springbreakers.jp/
場所:ワーナー・マイカル・シネマズ板橋
ハーモニー・コリンの映画を今まで見た事がなかったのだけれども、いろいろなところからもれ聞こえてくる評価がとても高いので、じゃあ、ひとつ見てみようとしたこの『スプリング・ブレイカーズ』は、自分たちの快楽しか求めていないおバカなビッチたちの青春・痛快・クライム・ムービーだった。この映画のすごいところは、主人公の4人組の女子大生たちに何一つ感情移入が出来ないところで、出来ないどころか、その自分本位の所業にムカムカしっぱなし。少しでも常識のある娘はグループから脱落して行って、そこでホッとする瞬間が一瞬は訪れるけど、最後まで残った二人の娘は自分たちのおもいを成就して彼女たちなりのハッピーエンドを獲得してしまう。なんだこりゃ、ひどい映画だ。少なくとも最後は、クエンティン・タランティーノの『デス・プルーフ in グラインドハウス』のシドニー・ターミア・ポワチエたちよろしく天罰が下るべきだ! と怒り爆発。とおもうのは常識的な人間の感想で、ちょっとひねくれて考えれば、ここまで徹底してビッチたちの感情に寄りそう映画ならば、それはかえって凄いことじゃないかとおもってしまう。ストーリーにムカムカしながら、ハーモニー・コリンの非常識さに共感を覚えたりと、相いれない感情が錯綜する映画だった。
今までに見た映画からは優男のイメージしかなかったジェームズ・フランコのチンピラ役も素晴らしかった。『オズ はじまりの戦い』の緩い演技にはガッカリしたけど、メイクだけでは表現しきれないチンピラの内面的なイヤらしさまで表現しきっている彼の演技力の高さに驚いてしまった。
→ハーモニー・コリン→セレーナ・ゴメス→アメリカ/2013→ワーナー・マイカル・シネマズ板橋→★★★☆