監督:トラヴィス・ナイト
声:矢島晶子、田中敦子、ピエール瀧、羽佐間道夫、川栄李奈、佐野康之、さかき孝輔、小林幸子
原題:Kubo and the Two Strings
制作:アメリカ/2016
URL:http://gaga.ne.jp/kubo/
場所:109シネマズ菖蒲

Twitterから聞こえてくる大絶賛の嵐の映画を観に行って、自分にとっては「そんなでもない映画」だった時の落胆ぶりは計り知れない。どこか、村八分にでもあったような疎外感しかない。トラヴィス・ナイトの『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』がまさに、それ、だった。

ハリウッド映画の描く日本文化が中国文化と混同してしまっても、日本人が西洋を一緒くたに見ているのと同じように、アメリカ人にとっては東洋がどれも同じに見えるんだなあと、おおらかな気持ちで眺めてはいた。でもそれがアニメーションとなると、デフォルメされて強調されるためか、その「日本的」なるものが微妙にズレていることにやたらと気になってしまった。「KUBO」は「名」ではなくて「姓」だろうなんてことは、まあ、突っ込まないことにしても、とても重要なアイテムとして登場する「破れずの兜」の「兜」はやっぱり日本の戦国武将が着けていた立物(たてもの)のある立派な「兜」にするべきだっただろう、なんておもってしまう。「KUBO」を助ける「クワガタ」の立派なハサミから連想されるだろう立物(たてもの)が無い中国的な「兜」だなんて! それに「KUBO」と「闇の姉妹」や「月の帝」とのアクションシーンは武侠映画にしか見えない。もし「KUBO」を父親の象徴としての「サムライ」と結びつけるつもりだったのなら、そこは日本的な武術シーンにするべきだったんじゃないのかなあ。

このような揚げ足取りのようなことを云うと怒る人もいるかもしれないけれど、気になってしまったものはしょうがない。あくまでも個人の感想です。

→トラヴィス・ナイト→(声)矢島晶子→アメリカ/2016→109シネマズ菖蒲→★★★