監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演:エル・ファニング、アレックス・シャープ、ルース・ウィルソン、マット・ルーカス、ニコール・キッドマン
原題:How to Talk to Girls at Parties
制作:イギリス、アメリカ/2017
URL:http://gaga.ne.jp/girlsatparties/
場所:MOVIXさいたま

映画のタイトルだけから判断してしまうと、さえない男子の「彼女が欲しい」ストーリーのようなものしか期待できなかったけど、それはまったくのトラップで、こちらの想像を遥か上を行く唖然とするほどの展開が待っていた。何よりもまず、これがSFだったのだ。それもストーリーの時代設定が1977年であることから、ちょっと「プリズナーNo.6」をおもわせるイギリス風味のレトロなSF感覚で、そこに当時の時代を席巻していたパンクロックを絡ませた、ぶっ飛んだ青春+音楽+SF+ラブストーリーだった。

さらに、70年代のイギリス映画で美少女と内気な少年の逃避行となると、これは絶対に『小さな恋のメロディ』に行き着いてしまう。雑誌「スクリーン」「ロードショー」からの映画ファンとしては、エル・ファニングとアレックス・シャープのピュアな関係がトレイシー・ハイドとマーク・レスターのそれに見えて郷愁感がハンパなかった。

そして、面白い映画には必ずと云って良いほどの素晴らしい脇役の存在。すでに大女優としての地位が確定しているニコール・キッドマンなのに、こんな小さな映画の、それもロッカーとして挫折を味わった過去を持つ、やさぐれた雰囲気のマネージャー役を演じるとは。最初は、え? ニコール・キッドマン? いや、似ている女優だろう、と信じられなかった。根っからの「役者バカ」なんだろうなあ。そんなニコール・キッドマンの、自分を貶めた奴らを呪詛するセリフがかっこいい。

「余命を知っている奴らが親切ぶって生き血をすする」

→ジョン・キャメロン・ミッチェル→エル・ファニング→イギリス/2017→MOVIXさいたま→★★★★