LOOPER/ルーパー

監督:ライアン・ジョンソン
出演:ブルース・ウィリス、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、エミリー・ブラント、ポール・ダノ、シュイ・チン、ノア・セガン、パイパー・ペラーボ、ギャレット・ディラハント、ピアース・ガノン、トレイシー・トムズ、ニック・ゴメス、マーカス・ヘスター、フランク・ブレナン、ジェフ・ダニエルズ
原題:Looper
制作:アメリカ/2012
URL:http://looper.gaga.ne.jp/
場所:新宿ミラノ1

タイムパラドックスを考えると、意識下で自分が存在していると認識している時間軸がたった一つのものではなくて、同時にパラレルに幾つもの時間軸が走っているとしか考えようがなくなってくる。この映画でも、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットが歳を取ってブルース・ウィリスになった時間軸と、そのブルース・ウィリスが過去に戻ってジョゼフ・ゴードン=レヴィットと対決する時間軸が同一のものであるはずがない。それが一緒ではパラドックスが生じてしまうから、平行して走る違う時間軸へ戻って来たと考えれば何となく自分の中で整合性を取ることができる。でも、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクは、未来の自分と鉢合わせしたらタイムパラドックスの連鎖反応によって時空連続体がねじれて全宇宙が崩壊してしまうって言ってたなあ。まあ、タイムリープものの映画は勝手な理論展開の果てのストーリーだから、そんなところに整合性を求めてもしょうがないんだけど。

以下はラストのネタバレ。

と、そんなふうに自分の中で整合性を求めた結果、何とか落とし所を見つけて納得をしていたのに、ラストシーンでジョゼフ・ゴードン=レヴィットが自殺すると同時にブルース・ウィリスの存在が消えてしまってはその辻褄が崩壊。そのジョゼフ・ゴードン=レヴィットが歳を取ったあとのブルース・ウィリスは、その対峙しているブルース・ウィリスとはまた違う奴なんだけどなあ。

予告編ではこのラストシーンを「衝撃のラスト」とか謳っていたけど、いやいや、この映画の衝撃は、未来においてブルース・ウィリスの妻を殺すことになる子供、シドを演じたピアース・ガノンって子の演技でしょう。『エクソシスト』のリンダ・ブレアのような鬼気迫るものがあって、この映画の一番の見どころだった。

→ライアン・ジョンソン→ブルース・ウィリス→アメリカ/2012→新宿ミラノ1→★★★