監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スタールバーグ、オクタヴィア・スペンサー
原題:The Shape of Water
制作:アメリカ/2017
URL:http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/
場所:109シネマズ菖蒲

先日発表された第90回アカデミー賞の作品賞を獲ったギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』を期待しながらも、それでいてギレルモ・デル・トロ作品とのいつもの肌の合わなさから期待するのは危ないと云う気持ちも半分持ちながら観に行った。

話すことのできないサリー・ホーキンスが映画館の上に住んでいて、たえず上映されている映画の音が部屋に漏れ聞こえてくる設定はとても映画オタクの心をくすぐるし、シャーリー・テンプルとビル・ボージャングル・ロビンソンやベティ・グレイブル、アリス・フェイが出てくる白黒映画が画面に現れるとちょっと鳥肌が立ったけど、ストーリーそのものに工夫がないと云うか、ひとつもふたつも調味料が足りなくて、映画としての味に深みがなかった。サリー・ホーキンスが「彼」に惹きつけられる理由がやっぱり弱いよなあ。なにか「彼」に魅力を感じる決定的な要素がひとつ欲しかった。それに、悪役のマイケル・シャノンにもまったく魅力がなかったのは、この手のパターンの映画としては致命的だった。

黒人、女性、LGBTなどへの差別をなくそうとする機運が高まりつつある時代の流れの中での、それとぴったりとマッチした作品としてのアカデミー作品賞と云う図式はよくわかるのだけれど。

→ギレルモ・デル・トロ→サリー・ホーキンス→アメリカ/2017→109シネマズ菖蒲→★★★