監督:リー・アンクリッチ
声:石橋陽彩、藤木直人、橋本さとし、松雪泰子、磯辺万沙子、横山だいすけ、多田野曜平、佐々木睦
原題:Coco
制作:アメリカ/2017
URL:https://www.disney.co.jp/movie/remember-me.html
場所:109シネマズ木場

今年になって『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』『ブラックパンサー』と公開されて、これらすべてが昨今の大きなトピックとなっている弱者や少数者へのヘイトやハラスメントの問題を隠喩している映画としかおもえなくて、その流れからするとメキシコを舞台にした『リメンバー・ミー』も同列に位置する映画だった。

メキシコの人々の生活に根ざしている死生観が反映されたストーリーはとても新鮮だった。特にメインにフィーチャーされるメキシコの祝祭日「死者の日」は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ボーダーライン』を観た流れから読んだヨアン・グリロ著、山本昭代訳の「メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱」の中でも、埼玉近代美術館で観た「ディエゴ・リベラの時代 メキシコの夢とともに」の絵の中でも、骸骨をメインビジュアルとしたおどろおどろしさだけが際立っていて、とても明るいイメージは持てなかったのだけれど、その実は先祖を敬い家族を大切にすることが謳われる盛大なお祭りでもあり、「死」を恐れるのではなくて、逆に笑い飛ばしてしまおうとするラテン系のノリの明るく楽しい祭りであったことも驚きだった。

この映画の中に、まるで小野不由美の「十二国記」の騎獣のような聖獣アレブリヘが出て来る。これがまるでフリーダ・カーロの絵のようにド派手でかっこよかった。実際にアレブリヘはメキシコを代表する民芸品で空想上の動物の木彫りのことだそうだ。

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うーん、これはちょっと欲しくなってしまった。どこかで手に入らないかな。

→リー・アンクリッチ→(声)石橋陽彩→アメリカ/2017→109シネマズ木場→★★★☆