監督:ウディ・アレン
出演:ケイト・ウィンスレット、ジャスティン・ティンバーレイク、ジュノー・テンプル、ジム・ベルーシ、ジャック・ゴア
原題:Wonder Wheel
制作:アメリカ/2017
URL:http://www.longride.jp/kanransya-movie/
場所:ユナイテッド・シネマ豊洲

今年もウディ・アレンの映画がやって来てホッとしている。いつしか上映されない日がやって来るんじゃないかと、それは作らなくなるのか、作ってもAmazonでの公開だけだったりするのか、そんな日がすぐそこに来る予感をひしひしと感じながら。

『女と男の観覧車』はウディ・アレンの映画の中でも主人公が次第に追い詰められて行くシリアスなパターンの映画だった。最近では『ブルージャスミン』がそのタイプの映画で、ケイト・ブランシェットが演じる主人公のどん詰まり感は半端なく、彼女はその演技でアカデミー主演女優賞を受賞したのだった。そして同じケイトでもウィンスレットのほうも今回のウディ・アレンの映画の中で過剰な自尊心に押しつぶされて行く女性を演じていて、それはケイト・ブランシェットと同じようにアカデミー主演女優賞を獲ってもおかしくないくらいの熱演だった。

映画のラスト近く、ケバケバの化粧をして何故かドレスを着飾ったケイト・ウィンスレットを見て、エリア・カザン監督『欲望という名の電車』のヴィヴィアン・リーにぴったりと重なった。ウディ・アレンのテネシー・ウィリアムズ好きは有名で、『ブルージャスミン』でも『欲望という名の電車』との類似点を指摘されていたけれど、今回の『女と男の観覧車』はさらにそこへ近づいたような気がする。ロマン・ポランスキーと同じようにウディ・アレンと云う天才は常人には計りようがないけれど、そのスキャンダルな生涯の行き着く先を『欲望という名の電車』のブランチと重ねているとするとあまりにも自虐的と云うべきか…。

→ウディ・アレン→ケイト・ウィンスレット→アメリカ/2017→ユナイテッド・シネマ豊洲→★★★★