●藤元明緒『僕の帰る場所』(2017/日本)
日本で難民申請をしているミャンマー人夫婦の二人の子供は日本語しか話せない。なのに、日本での生活に疲れた母親とともに強制的にミャンマーに帰国することになってしまう。日本人でもない、ミャンマー人でもない、アイデンティティを失った特に長男の彷徨を描く。
この映画を観はじめて、はたしてこれはドキュメンタリーなのか、ドラマなのか、まったくわからないところが面白かった。津田寛治が出てきて一気にドラマ色になったけど。とにかく、二人の子供が凄かった。とても演技とはおもえない。是枝裕和がやりたいことはこれなんじゃないのかなあ。
●道本咲希『昔の恋人』(28分、2017/日本)
●横田浩樹『同じ歩幅でなんて歩かない』(65分、2017/日本)
NARA-wave(学生映画部門)の短編2作品。昨日の玄人はだしの海外の作品に比べるとしっかりとアマチュアの学生が作った映画だった。海外の作品はさすがにスタッフはプロなんじゃないのかなあ。
2作品ともおもしろかたけど、『昔の恋人』は、主人公の「麻美」が父の昔の恋人に会いに行って、その昔の恋人にビンタされるシーンまでの過程をもうちょっと丁寧に撮ってたらなあ、と。
●ダスティン・フェネリー『STRAY』(2018/ニュージーランド)
やっとインターナショナルコンペティションの作品を奈良国立博物館講堂で。
仮釈放中の男と精神病院を退院したばかりの女のはなし。孤独な二人の行き場のないストーリーが気分を落ち込ませるけど、うっすらと希望が見えて行くままに終わるラストシーンは良かった。