監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、ジョー・アルウィン、マーク・ゲイティス、ジェームズ・スミス
原題:The Favourite
制作:アイルランド、イギリス、アメリカ/2018
URL:http://www.foxmovies-jp.com/Joouheika/
場所:Movixさいたま
ヨルゴス・ランティモスの映画はいつも人間の不気味さ、気持ち悪さを前面に押し出してくる。不快感を感じずにはいられない描写が多い。でも、実際の人間が綺麗なものかと云えば、よくよく考えるとそうじゃない。汚いものだ。その汚いものを直視させてくれているわけだから、感謝しこそすれ嫌悪すべきではない、とはおもう。映画を観ると云う行為は、汚い現実を逃避するために綺麗なものだけを観たいと云う側面は確かにあるのだけど、そればっかりだと飽きてしまうので、ヨルゴス・ランティモスの映画のようなものが時にはあるとすこぶる面白く感じてしまう。
『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマンが演じたアン女王も醜かった。感情の起伏が激しく、肥満のうえに痛風持ちで一人では十分に歩けず、6回の死産、6回の流産を経験したことからか精神的にも破綻をきたしているように見える人物だった。まさに、ヨルゴス・ランティモスが題材に選ぶにふさわしい人物で、オリヴィア・コールマンにとってもアカデミー主演女優賞を獲るためにあるようなおいしい役柄だった。
なぜだか嘔吐のある映画に面白い映画が多く、誰だかTwitterで「ゲロ映画にハズレなし」と云っていたことに全面的に同意したのだけれど、この映画もそうなるかとおもいきや、ああ、やっぱりエマ・ストーンが個人的にダメだ。いや、この役柄はもっと華奢で可憐だけど野心むき出しのギャップを出せる女優のほうがが良かったんじゃないかなあ。エル・ファニングとか。
→ヨルゴス・ランティモス→オリヴィア・コールマン→アイルランド、イギリス、アメリカ/2018→Movixさいたま→★★★☆