監督:川島雄三
出演:鶴田浩二、佐田啓二、河村黎吉、津島恵子、小林十九二、細川俊夫、幾野道子、坪内美子、長尾敏之助、磯野秋雄、大杉陽一、小藤田正一
制作:松竹/1951
URL:
場所:神保町シアター
川島雄三の映画を映画館やフィルムセンターや日本映画専門チャンネルでぽろぽろと拾って見てはいるのだけれど、まだ全51作品中の26本しか見ることができていない。今回の『天使も夢を見る』も初見だった。
鶴田浩二のキャリアが松竹からはじまったことは、渋谷実の『本日休診』や小津安二郎の『お茶漬の味』に彼が出ていたことで理解していた、のかな? でも、松竹での鶴田浩二の主演映画をしっかりと観たのは『天使も夢を見る』が初めてだった。で、そこには、東映の任侠映画に出てくるキャラクターと同じように、物事のスジを通す人間がそのまま出てきたのにはびっくりした。おそらくそれが鶴田浩二の実際の人となりとからくる配役なんだろうとおもう。だから、どの映画会社に行こうと、晩年のNHKドラマの「男たちの旅路」ででも、まっすぐな男を演じたんじゃないのかと想像してしまう。
『天使も夢を見る』は、任侠映画や「男たちの旅路」や「今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」の鶴田浩二しか知らない自分にとっては珍しいラブコメディだった。そこは川島雄三の巧さなんだろうけど、すばらしくハマった鶴田浩二がいた。鶴田浩二と津島恵子の掛け合いなんて、まるでスペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘップバーンのようだった。
→川島雄三→鶴田浩二→松竹/1951→神保町シアター→★★★★