イメージの本

監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:
原題:Le livre d’image
制作:フランス、スイス/2018
URL:http://jlg.jp
場所:シネスイッチ銀座

ゴダールが84歳で『さらば、愛の言葉よ』を3D映画として撮ったとき、現在の3D方式ではどのような構図で撮れば効果的になるのかをしっかりと理解していることに、さすがゴダール、とおもってしまった。何歳になろうと、映画にどんなテクノロジーが加わろうとそれに対して貪欲な姿勢に嬉しくなってしまった。

で、その次にどんな映画を撮るんだろう? と期待していたら、ビデオ・インスタレーションのようなものがやって来た。ああ、だったら、映画館の座席に縛られることなく、なにか違った環境で観るべきなんじゃないかとムズムズしてしまった。不正や暴力や不和に満ちあふれていることに対する嘆きが一つの暗闇の中に限定されることなく、例えば実際に殺人が起きた現場でこの映画が見ることができたりしたら、もっとぐさりとくるんじゃないかと、まったくの後付けだけど、川崎市の事件を知ってから痛感してしまった。そんなインスタレーションは無理なんだろうけれど。

→ジャン=リュック・ゴダール→→フランス、スイス/2018→シネスイッチ銀座→★★★☆