監督:ジョン・フォード
出演:ジョージ・オブライエン、マッジ・ベラミー、シリル・チャドウィック、フレッド・コーラー、グラディス・ヒューレット、J・ファレル・マクドナルド
原題:The Iron Horse
制作:アメリカ/1924
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場所:アテネ・フランセ文化センター
戦後のジョン・フォードの映画には、どの映画にも通底しているテーマやキャラクター造形があって、そのブレない共通した映画作りがジョン・フォードの映画を追っかけてやまない要因のひとつなんだろうとおもう。特に、『黄色いリボン』や『リオ・グランデの砦』のヴィクター・マクラグレンが象徴的な、酒好きでだらしないけど人が良くて憎めない軍曹、のようなキャラクターを必ず配置させるところが大好きで、彼らの出演部分を見るだけでもジョン・フォードの映画を見た気分になってしまう。おそらく、宮崎駿もこのキャラクター造形に影響を受けていて、『天空の城ラピュタ』のドーラの手下や『紅の豚』の空賊たちは絶対にジョン・フォードの影響だろうと想像できてしまう。
じゃあ、その共通したテーマやキャラクター造形がいつからはじまったのだろうかと考えたときに、驚いたことに1924年の『アイアンホース』の時点ですでにそれは完成されていた。家族愛、正義、男気、アイルランドへの郷愁や、酔いどれ軍曹のような憎めないキャラクターなど、ジョン・フォードが映画を撮り始めて、そして世間に認めらた時点でそのすべてがはじまっていたことには驚いた。
1937年の『ハリケーン』以降のジョン・フォードの映画は、そのほとんどを見ているので、ああ、もっとサイレント時代の映画を観たいなあ。
→ジョン・フォード→ジョージ・オブライエン→アメリカ/1924→アテネ・フランセ文化センター→★★★★