監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ウィル・ポールター、ヴィルヘルム・ブロングレン、アーチー・マデクウィ、エローラ・トルキア、ビョルン・アンドレセン
原題:Midsommar
制作:アメリカ、スウェーデン/2019
URL:https://www.phantom-film.com/midsommar/
場所:MOVIXさいたま

昨年公開されたホラー映画『ヘレディタリー/継承』が話題となったアリ・アスター監督の新作『ミッドサマー』がTwitter界隈で何かと話題なので観に行った。

『ミッドサマー』の原題の“Midsommar”は、スウェーデン語の綴りの「夏至」のことだった。つまりこの映画は、スウェーデンにある閉鎖されたコミュニティで行われる夏至祭に行ってしまったアメリカ人大学生たちの恐怖の体験を描いた映画だった。

『ヘレディタリー/継承』でも精神的な疾患を持つ家系の女性を主人公としていたけれど、今回もやはり精神的にバランスを失ってしまった女性を主人公としていて、その状態で向かうスウェーデンでのコミュニティがあまりにもピーカンで明るすぎて、まるでドラッグでトリップしているような状態に見えるところが気持ちよくもあり、それがかえって怖くもあり、なんとも不思議な映画だった。そこに北欧神話と悪魔学を混ぜ合わせたような不気味な信仰があって、燦々と輝く太陽のもとで、表面的にはにこやかに食事をしながら、楽しそうに踊りながら、でも徐々にどす黒い底が見え隠れするところがキリキリと精神的なダメージを与えてくる映画だった。

アリ・アスター監督の映画はホラー映画に分類されているけれども、昔の70年代、80年代ににあったオカルト映画の要素も含んでいて、そこがとても懐かしかった。ずっとこの路線で行くんだろうか? もしそうならば、これからも追いかけて行きたいなあ。

→アリ・アスター→フローレンス・ピュー→アメリカ、スウェーデン/2019→MOVIXさいたま→★★★★