ホドロフスキーのサイコマジック

監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:アレハンドロ・ホドロフスキー
原題:Psychomagie, un art pour guerir
制作:フランス/2019
URL:https://www.uplink.co.jp/psychomagic/
場所:新宿シネマカリテ

アレハンドロ・ホドロフスキーが映画監督としての側面だけではなくて、自らが考案した心理療法「サイコマジック」を行うセラピストとしての側面もあって、映像表現からのアプローチで生まれたセラピーを精神的なダメージを受けた人たちに対して行っていたことをまったく知らなかった。その活動をまとめたものがこの映画で、彼の今までの映画のワンシーンと、実際に行っているセラピーを重ね合わせるように見せて行く構成が、まるでアレハンドロ・ホドロフスキーのこれまでの活動の集大成を見せているかのようだった。

どんな新しい心理療法を見ても、いつも胡散臭さを拭うことはできないのだけれど、でも考えてみれば、現在の医学だけでは治せないものを治そうとするところに筋道だった論理性があるわけがなくて、突拍子もないところになにかのきっかけが存在している可能性はあるのだから、そんな馬鹿な、と頭から否定してしまうのもおかしい話しだとはおもう。

だからアレハンドロ・ホドロフスキーの「サイコマジック」だって、この療法で心が晴れた人が存在するのなら、こんな方法だってあり、なんだろうとはおもう。もちろん、すべての人に効くとはおもえないけれど。

1986年の東京国際ファンタスティック映画祭でアレハンドロ・ホドロフスキーの『エル・トポ』をはじめて観た時に、事前に雑誌「スターログ」などから得た情報も手伝って、そして渋谷パンテオンの場内の得も言われぬ躁状態に惑わされて、エンドクレジットにおもわず拍手していたのは、今から考えれば「サイコマジック」に罹っていたのかな。

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