監督:庵野秀明(総監督)、鶴巻和哉、中山勝一、前田真宏
声:緒方恵美、神木隆之介、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、三石琴乃、 山口由里子、石田彰、立木文彦、清川元夢、山寺宏一
制作:スタジオカラー/2021
URL:https://www.evangelion.co.jp/final.html
場所:109シネマズ木場

庵野のエヴァンゲリオンがついに完結した。

最初の「新世紀エヴァンゲリオン」の第弐拾伍話、最終話を見て、えっ? 人類補完計画ってなんだったの? になってから何年になるんだろう? おそらくは、庵野自身の中にあったエヴァンゲリオンの構想を一つのTVシリーズとしてうまくまとめ切れずに、落とし所を失った結果があの最終回だったんだろうとおもう。

3月21日にNHKで放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル」の中で、面白さを追い求めるあまり、他人を追い込み、自身をも追い込む庵野の姿勢を見て、ああ、こんな制作姿勢じゃ、週イチのアニメーション放送でうまくストーリーをまとめ切れるはずがなかったなあ、とあらためておもってしまった。

そして、エヴァンゲリオンを完結させるべくして走り出した新劇場版が、序、破、Qと来て、ついにラストの「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」にたどり着いた。さあ、うまくまとめきれたのか、と姿勢を正して観に行ったら、ああ、うん、まとまってた。そして終わってた。でも、「プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル」の中で庵野が追求していた「今までにないもの」「面白いもの」だったのか、と云われれば、うーん、面白いような気がする、レベルの映画だった。どちらかと云えば「終わらせなければいけない」「ここで一区切りつけなければならない」のほうがまさっていたような気がしてならない。

「プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル」のラストで、庵野がスタッフに「終わりました」と報告したときに、みんなから拍手で迎えられたシーンを見て、TVシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」の最終話とダブってしまった。「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」が面白かったかどうかなんてもう関係なかった。ありがとう、庵野秀明、と拍手を送るのが正しい終わり方だった。

→庵野秀明(総監督)、鶴巻和哉、中山勝一、前田真宏→(声)緒方恵美→「スタジオカラー/2021→109シネマズ木場→★★★☆