監督:園子温
出演:國村隼、堤真一、二階堂ふみ、原菜乃華、友近、長谷川博己、星野源、春木美香、石井勇気、坂口拓、渡辺哲、尾上寛之、水道橋博士、板尾創路、石丸謙二郎、でんでん、ミッキー・カーチス、江波杏子、神楽坂恵、岩井志麻子、成海璃子
制作:「地獄でなぜ悪い」製作委員会/2013
URL:http://play-in-hell.com
場所:新宿バルト9
園子温監督の『希望の国』があまりにも時流におもねったテーマをストレートに謳い上げていたのに辟易してしまったのだけれど、まさかそんなものを立て続けに作るわけないだろうとおもって観に行ったら、いやいや、やってくれました。深作欣二の『仁義なき戦い』にオマージュを捧げつつ、マカロニウェスタンやカンフー映画をリスペクトしたタランティーノ映画をさらにリスペクトしているような、腕や首が飛び放題の、血糊べっとりのハイテンションな映像の洪水に溺れて息も出来なくて苦しい。もう、嬉しい悲鳴。やっぱり園子温はこうでなくっちゃ。『希望の国』のような正義面は見たくない。この『地獄でなぜ悪い』や『愛のむきだし』のようなアングラ臭のする大人になりきれない中二病映画をずっと見ていたい。
主題歌としての星野源「地獄でなぜ悪い」はなかなか良い感じなんだけど、他の劇中挿入曲がハイドンの「サラバンド」とかダニエル・リカーリの「ふたりの天使」などを使ったりするので、まあ、なんと云うか、ベタな選曲なのがちょっと小恥ずかしいと云うか。音楽のセンスはまったくタランティーノにはかなわない。
→園子温→國村隼→「地獄でなぜ悪い」製作委員会/2013→新宿バルト9→★★★★