監督:クロエ・ジャオ
出演:ジェンマ・チャン、リチャード・マッデン、クメイル・ナンジアニ、リア・マクヒュー、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ローレン・リドロフ、バリー・コーガン、ドン・リー(マ・ドンソク)、キット・ハリントン、サルマ・ハエック、アンジェリーナ・ジョリー
原題:Eternals
制作:アメリカ/2021
URL:https://marvel.disney.co.jp/movie/eternals.html
場所:109シネマズ木場

今年のアカデミー作品賞を獲得した『ノマドランド』を撮ったクロエ・ジャオ監督がマーベル・コミックの「エターナルズ」を監督すると聞いたときに、それはまったく畑違いの映画を撮ることになるんじゃないのか、と誰しもがおもったことだろうとおもう。ところが、WOWOWでのアカデミー賞授賞式を見ていたら、途中に挟み込まれたクロエ・ジャオ監督へのオンラインのインタビューで、SexyZoneの中島健人からの問いに対して日本のコミック「幽☆遊☆白書」が大好きで、よく日本のコミックを読んでいたとの答えが帰ってきた。なんと、それだったら話しは変わってくる。クロエ・ジャオ監督の『エターナルズ』は、アン・リーの『ハルク』みたいなことにはならないのではないか、と、ちょっとだけ安心してしまった。

そして実際にクロエ・ジャオ監督の『エターナルズ』を観てみた。

うーん。ストーリーが複雑すぎて、なにがなにやら。
なので、映画を観終わってからネット検索して確認した。
おもいっきり要約すると、

宇宙創生のときから存在するコズミック・ビーイングと呼ばれる不死の種族「セレスティアルズ」はさまざまな惑星に知的生命体を誕生させてきた。同時に、その知的生命体を守るために「ディヴィアンツ」という生物をも作り出した。

ところが「ディヴィアンツ」が知的生命体をも捕食しはじめたので、「セレスティアルズ」は「ディヴィアンツ」を駆除するために「エターナルズ」を作り出した。地球にも7000年前に10人の「エターナルズ」が派遣された。

地球の「ディヴィアンツ」をすべて駆除したかに見えた10人の「エターナルズ」だが、突如、現代において「ディヴィアンツ」が復活したことに驚く。

再び「ディヴィアンツ」との戦いはじまる「エターナルズ」だが、「セレスティアルズ」の本当の目的は惑星の知的生命体のエネルギーを使って新たな「セレスティアルズ」を出現させることだった。

長らく地球の人類と生活をともにしてきた「エターナルズ」は、「セレスティアルズ」に意に反して、新たな「セレスティアルズ」である「ティアマト」の出現を阻止するべく「エターナルズ」全員のエネルギーをまとめる「ユニ・マインド」という装置を使って人類を助ける。

と云うような内容だった。いやー、何の予備知識もなく、これを理解するのにはちょっと無理があった。とは云っても、つまらなかったわけではなく、それなりに楽しんで観てしまったのだけれども。

で、クロエ・ジャオ監督がこのマーベルの映画を撮る意味はあったのだろうか。10人の「エターナルズ」が、それぞれ持っている能力に違いがあって、考え方にも大きな隔たりが合って、そのあたりの多様性を描いていることにクロエ・ジャオ監督が撮る意味を感じられなくもないけれど、うーん、こじつけのようにもおもえる。まあ、今回も、マーベルの映画は誰が撮ったとしても、一定の水準を超える映画を作ることのできる凄さを感じる回でした。

→クロエ・ジャオ→ジェンマ・チャン→アメリカ/2021→109シネマズ木場→★★★☆