監督:濱口竜介
出演:古川琴音、中島歩、玄理、渋川清彦、森郁月、甲斐翔真、占部房子、河井青葉
制作:NEOPA fictive/2021
URL:https://guzen-sozo.incline.life
場所:池袋シネマ・ロサ
濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が日本映画で初めてアカデミー作品賞にノミネートされた。このニュースを聞いた第一印象は、社会的な多様性をやたらと重要視し始めているアメリカ社会の時代の流れに、無理やりはめ込まれてしまっている感じだなあ、だった。とは云っても、とても素晴らしい映画なんだから、そんなことをゴチャゴチャ考えずに手放しで喜ぶべきなんだろうとおもう。
その『ドライブ・マイ・カー』と同じ時期に撮影していた『偶然と想像』は、「魔法(よりもっと不確か)」「扉は開けたままで」「もう一度」の3つの短編作品集。どのストーリーも、偶然から派生する人と人との関わり合いを濱口竜介メソッドの演出法による会話劇で描いていて、ラストの落とし方が3つとも小気味よくて観ていて楽しかった。
とくに3話目の「もう一度」が、ほとんど占部房子と河井青葉による二人芝居なので、演劇的な空間が大好きな自分にとってはとくに面白いストーリーだった。
濱口竜介監督には、ウディ・アレンとかホン・サンスのように、コンパクトな会話劇をコンスタンスに作って欲しい気もするけれど、もし『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー作品賞を撮ったりしたら、どうなるんだろう? それでもウディ・アレンと同じように、小さな作品をコンパクトに作っていってほしいなあ。
→濱口竜介→古川琴音→NEOPA fictive/2021→池袋シネマ・ロサ→★★★★