監督:重江良樹
出演:川崎市子ども夢パークに集う人たち、フリースペースえんの子どもたち、認定NPO法人フリースペースたまりばの人たち、風基建設株式会社の人たち
制作:ガーラフィルム、ノンデライコ/2022
URL:http://yumepa-no-jikan.com/
場所:ポレポレ東中野

川崎市高津区にある子どものための遊び場「川崎市子ども夢パーク」に集まる子どもたちを描いたドキュメンタリー映画『ゆめパのじかん』を観て、こんな何でもありの自由な空間が公共の施設としてあるのか! と云う驚きとともに、こんなに自由にさせてしまったらそこに目くじらを立てる人たちもいるんじゃないの? と云う両方のおもいが巡ってしまった。

ひとむかし前のブラック校則に代表されるように神経質なルールに縛られがちな日本社会だからこそ、その窮屈さに馴染めない子どもたちも数多く出てきてしまうのは当たり前もことだろうとおもう。だから、そう云った子どもたちを救うためにはいかに伸び伸びとさせるのかがポイントなって来るは間違いない。

「川崎市子ども夢パーク」の自由度は、日本社会の基準からすると、これはちょっとヤバいんじゃない? と云うレベルだけれど、だからこそ救われる子どもたちもいて「サワ」を筆頭にその成功例の何人かがこの映画で描かれている。

じゃあ反対に、その自由度の代償がこの映画でしっかりと描かれているかと云うと、そこもとても緩かった。まあ、この映画の全体的なスタイルとして、それで統一しているからなのだろうけれど。コロナ禍でのマスクなしのことや、ボロボロの自転車で遊んでいる子どもたちのことなど、お硬い人たちからの反発必至な部分を「川崎市子ども夢パーク」がどのように対処しているのかがとても気になった、

個人的には、細かいことに文句を云ってくるやつらは背中から蹴飛ばしてやれば良いんだ、くらいの気持ちでいるんだけれど、市が運営している施設ではそうもいかないだろうから、そこをどう手当しているのか? の部分も欲しかったような気もする。そして、学校にも馴染めず、この「川崎市子ども夢パーク」にも馴染めず、と云う子どもも一定数いるだろうから、そんな子どものことも描いて欲しかった。

→重江良樹→サワ→ガーラフィルム、ノンデライコ/2022→ポレポレ東中野→★★★☆