監督:ライアン・クーグラー
出演:レティーシャ・ライト、ルピタ・ニョンゴ、ダナイ・グリラ、ウィンストン・デューク、フローレンス・カサンバ、ドミニク・ソーン、ミカエラ・コール、テノッチ・ウエルタ・メヒア、マーティン・フリーマン、ジュリア・ルイス=ドレイファス、アンジェラ・バセット
原題:Black Panther: Wakanda Forever
制作:アメリカ/2022
URL:https://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther-wf
場所:ユナイテッド・シネマ浦和

ティ・チャラ/ブラックパンサー役のチャドウィック・ボーズマンが2020年8月28日に大腸癌で亡くなって、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)での「ブラックパンサー」シリーズの今後がどうなるのかとおもっていたけれど、この『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』で解答を出してきた。

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』では、ワカンダ王ティチャカの末子で、ティ・チャラ/ブラックパンサーの妹である王女シュリ(レティーシャ・ライト)が次期ブラックパンサーになる過程が描かれていた。そして、ワカンダで取れる貴重な鉱石ヴィブラニウムをめぐってアメリカなどの西側諸国との決定的な亀裂をメインに持ってくるのかとおもったら、ここで新たなヴィランのネイモア(テノッチ・ウエルタ・メヒア)を登場させてきた。ワカンダの新しいブラックパンサーと海の王国タロカン帝国の王ネイモアとの戦いがこの映画の主軸となっていた。

このネイモアの原点は、マーベル・コミックの最古参のヒーローでもあるネイモア・ザ・サブマリナーなんだろうか? そのあたりの出典はマーベル・コミックを読んだこともないのでよくわからない。

で、ワカンダ王国が黒人社会を意味するのだとしたら、タロカン帝国は、この映画での描かれ方からして、ヒスパニック系社会を意味しているようにも見えた。このふたつの社会が対立しながらも最後は同盟を結ぶくだりは、今後のヴィブラニウムを狙う西側諸国との決定的な対決に突き進んでいかざるを得ないようにも見えてしまった。でも、そのような分断を描くのだとしたら、現実社会とまったく同じ不毛さが募るばかりなので、なにか新たな対立軸を持ってくるのかなあ?

ひとつ気になったのは、新たなブラックパンサーであるシュリを演じたレティーシャ・ライトの華の無さ。どうなんだろう? 彼女でブラックパンサーをシリーズ化出来るんだろうか。

→ライアン・クーグラー→レティーシャ・ライト→アメリカ/2022→ユナイテッド・シネマ浦和→★★★