監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ガブリエル・ラベル、ミシェル・ウィリアムズ、ポール・ダノ、セス・ローゲン 、ジャド・ハーシュ、クロエ・イースト、オークス・フェグリー、ジュリア・バターズ、ジーニー・バーリン、ガブリエル・ベイトマン、グレッグ・グランバーグ、デイヴィッド・リンチ
原題:The Fabelmans
制作:アメリカ/2022
URL:https://fabelmans-film.jp
場所:109シネマズ菖蒲
自分の映画遍歴を振り返ると、そのはじまりはジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』であり、スティーヴン・スピルバーグの『未知との遭遇』だった。とりわけスティーヴン・スピルバーグは、その後に続く『1941』『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』『E.T.』と、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような作品ばかりが続いて、いまおもい返しても映画ファンのはじまりとしては運の良い時代だった。
そのスティーヴン・スピルバーグも76歳になって、おそらくは映画人生の締めくくりも感じて、自伝的作品として『フェイブルマンズ』を撮ったのだろうとおもう。
スティーヴン・スピルバーグの実際の子供時代のはなしは、幼い頃から8ミリを撮りはじめたことがその後の彼の人生に大きな影響を及ぼしたことぐらいは何となく理解していた。でも、父親が電気技師をしていたとか、母親がコンサートピアニストだったとか、その両親が離婚したとかのプライベートなことと彼の作品とを結びつけることはまったくなかった。ところが今回の『フェイブルマンズ』を観て、驚いたことにスピルバーグが撮った映画のなかのシーンが同時に脳裏に蘇ってしまった。それは『未知との遭遇』のUFOに取り憑かれてしまうリチャード・ドレイファスだったり、『E.T.』のなぜか父親のいない家庭のシーンだったり、『A.I.』の母親から見放されるA.I.ロボットだったり。この映画は彼の人生と作られた作品とが密接に結びついていることを追体験する映画だった。
この追体験を終えた後に、またスピルバーグの作品を見返したいとおもう。絶対に新たな発見があるに違いない。
→スティーヴン・スピルバーグ→ガブリエル・ラベル→アメリカ/2022→109シネマズ菖蒲→★★★★