監督:ジェームズ・ガン
出演:クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、カレン・ギラン、ポム・クレメンティエフ、ヴィン・ディーゼル、ブラッドリー・クーパー、ショーン・ガン、マリア・バカローヴァ、ウィル・ポールター、エリザベス・デビッキ、シルヴェスター・スタローン
原題:Guardians of the Galaxy Vol. 3
制作:アメリカ/2023
URL:https://marvel.disney.co.jp/movie/gog-vol3
場所:109シネマズ木場
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズで成功を収めたジェームズ・ガン監督がドナルド・トランプを批判したことから右派系の人に目をつけられて、過去の不謹慎なツイートを掘り起こされた結果、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の監督を降ろされると云う事件が起こった。ところが、デイヴ・バウティスタを始めとする出演者の抗議やオンライン請願サイトに約35万人の署名が集まったことから、結局は監督に復帰すると云うドタバタで一応事態は収束した。このことはジェームズ・ガンとマーベル・スタジオとの関係にちょっとした禍根を残す結果となった。
それをふまえてこの映画を観てみると、事件が起こる前にシナリオが出来ていたとはおもうのだけれど、ジェームズ・ガンがこれでもか、これでもかと、最後におもいの丈のすべてをぶつけた映画に見えてしまってとても痛快だった。
主にロケットの出自を題材にしたこの映画は、ジェームズ・ガンのテーマとも云える、負け犬だっていいじゃないか、誰だって何かの役に立っているんだ、を様々なキャラクターを通して訴えかける映画に仕上がっていて、ヤカの矢をうまく扱えないクラグリンにまでスポットを当てているほどの盛り沢山だった。
ただ、個人的には、全ての生物を強制的に進化させようとする狂信的な科学者ハイ・エボリューショナリーによって言葉を話せるようになった動物たち、ロケットとライラ(カワウソ)とティーフ(セイウチ)とフロア(ウサギ)の友情物語はあまりにもベタで、いらなかったかなあ、とおもえなくもない。それに今回のメインヴィランであるハイ・エボリューショナリーも悪役のキャラクターとしてちょっと弱かったかなあ。
2022年10月25日、ジェームズ・ガンがワーナー・ブラザース傘下の「DCスタジオ」の共同会長兼CEOに就任することが発表された。今後4年の「DCスタジオ」の製作を統括し、ガンは主にクリエイティブ面を担当するらしい。これからの「DCスタジオ」の映画も追いかけるべきなのか、どうか。
→ジェームズ・ガン→クリス・プラット→アメリカ/2023→109シネマズ木場→★★★☆