監督:アンディ・ムスキエティ
出演:エズラ・ミラー、サッシャ・カジェ、マイケル・シャノン、ロン・リビングストン、マリベル・ベルドゥ、キアシー・クレモンズ、アンチュ・トラウェ、マイケル・キートン、ベン・アフレック、ジェレミー・アイアンズ、ニコラス・ケイジ、ジョージ・クルーニー
原題:The Flash
制作:アメリカ/2023
URL:https://wwws.warnerbros.co.jp/flash/
場所:MOVIX川口

DCコミックスの中の「スーパーマン」や「バットマン」は知っていても「フラッシュ」はまったく知らなかった。だから普通ならば観るのを敬遠してしまうのだけれど、どうやら出来が良いとのことなので観に行くことにした。

「フラッシュ」はスーパーヒーローとして超高速で移動できることを特色としていて、その速さから光速をも超えて時間さえも遡ることさえも出来てしまう。このタイムワープの能力を使って、警察法医学捜査官でもある「フラッシュ」は父親が母親を殺したとする嫌疑を晴らそうとする。どころか、過去に行って母親の命を助けてしまう。

スーパーヒーローが市井の人々を悪から守る活躍ぶりは二の次にして、スーパーヒーロー自身のパーソナルな問題にスポットを当てるのは『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』にとても良く似ていた。そこにマルチバースを絡めるのもそっくりだった。ただ、『ザ・フラッシュ』が良かったのは、そのマルチバースの説明がすっきりしていて、なるほど、と納得が行ってしまうところだった。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をはじめとするタイムワープの映画で問題となるのは、過去を変えてしまううとどうなるのか? だった。例えばタイムトラベラーが過去に遡って自分の祖父を殺したとする。すると祖父には子どもがいなくなり、タイムトラベラーの両親はもちろんのこと、タイムトラベラー自身もいなくなる。では、いったい誰が祖父を殺すのだろうか、と云うパラドックスだ。そこに『ザ・フラッシュ』はマルチバースの理論を導入した。過去を変えてしまった時点で違うユニバースに分岐すると云う理論だった。だから母親が亡くなった世界の「フラッシュ」と、母親が助かった世界の「フラッシュ」のふたりが存在していてもOKだった。でも、そのふたつのユニバースをどうやって行き来するのかはよくわからののだけれど。

いろいろなユニバースの「フラッシュ」が存在するのならば、もちろん「バットマン」も「スーパーマン」も複数存在する。そこに過去の様々な役者が演じた「バットマン」や「スーパーマン」を持ってくるのは感動モノだった。とくにクリストファー・リーヴ! 彼が出てくるシーンには鳥肌が立った。

いろいろと一件落着して自分の世界に戻った「フラッシュ」は、自分の世界の「バットマン」であるマイケル・キートンに会う。とおもったら、マイケル・キートンではなく、なんと彼(も出演してくれた)!

→アンディ・ムスキエティ→エズラ・ミラー→アメリカ/2023→MOVIX川口→★★★☆