監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェニー
原題:Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One
制作:アメリカ/2023
URL:https://missionimpossible.jp
場所:MOVIXさいたま
アメリカのテレビドラマ『スパイ大作戦』をベースにした映画「ミッション:インポッシブルシリーズ」も、その第一期とも云える『ミッション:インポッシブル』(1996年)『M:I-2』(2000年)『M:i:III』(2006年)は主にサスペンスに重きを置いている映画だったようにおもう。ところがそのあとの第二期とも云える『ゴースト・プロトコル』(2011年)『ローグ・ネイション』(2015年)『フォールアウト』(2018年)になると、VFX撮影技術の進化もあってか、いかにして観客の度肝を抜くアクション・シーンを見せられるかの品評会のような様相を呈してきた。それはそれで、そう云う映画と割り切って観れば楽しめる映画ではあったけれど、いくらなんでもパターン化してしまって飽きが来る段階に入ってきたんじゃないかとおもっていた。
ところが『デッドレコニング PART ONE』は、市街地でのカーチェイスであったり、疾走する列車の屋根上での格闘であったりと、活動写真が登場したころから続く古典的なアクションのシチュエーションを使いながらも、それはわざとそうしているのであって、そのような古臭い状況でも、これだけのスリルを味わえるんだぜ、の見せ場を作ってくる自信満々な態度が素晴らしかった。
でも、崖から飛び降りたトム・クルーズが、パラシュートを使いながら暴走するオリエント急行の窓に突っ込むシーンはあまりにもやりすぎな感じが満載で、もう笑ってしまうほどだった。アクションでもホラーでも、やりすぎると笑えると云う、映画においてコメディこそが頂点に君臨するんだなと改めて認識できる映画だった。
そうそう、それから、スパイ映画において、CIAを間抜けに描いて、MI6を優秀に描く設定って、どうしてなんだろう?
→クリストファー・マッカリー→トム・クルーズ→アメリカ/2023→MOVIXさいたま→★★★☆