スノーピアサー

監督:ポン・ジュノ
出演:クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ、コ・アソン、ジェイミー・ベル、ジョン・ハート、ティルダ・スウィントン、オクタヴィア・スペンサー、エド・ハリス
原題:Snowpiercer
制作:韓国、フランス、アメリカ/2013
URL:http://www.snowpiercer.jp/index01.html
場所:ユナイテッドシネマとしまえん

人類滅亡からかろうじて生き残った人間たちが乗る方舟列車“スノーピアサー”号の中だけで展開するストーリーは、コンパクトなシチュエーションで展開する映画が好きな自分にとってはとても面白い映画だった。最後尾の車両から先頭車両“フロント”へ至る道のりの中で、いったいこの列車は何両連結なのかと云うほど、次から次へと車両ごとにめまぐるしく展開する人間博覧会も面白いし、随所に盛り込む小道具を使った伏線のはり方、そしてその回収の方法も面白かった。ただ、社会階層の縮図として各車両が存在するのならば、“フロント”へ向かって秩序立ってそれぞれの階層の車両が並んでいたら良かったのに。あまりにも乱雑としているので“フロント”にたどり着いた達成感がまったくなかった。外へ出る扉が2両目にだけ存在する理由も、その秩序の中から生まれてくるような設定であったのならもっと深みがあったのに。

韓国のパク・チャヌク監督が撮った『イノセント・ガーデン』を観た時に感じた、無理矢理ハリウッドの映画を撮らされた、と云うような感覚は、このポン・ジュノの『スノーピアサー』では感じられなかった。それはおそらくパク・チャヌクの会社であるモホ・フィルムズがこの映画をコントロールできていたからじゃないかとおもう。特にポン・ジュノとなじみのある韓国人のソン・ガンホ、コ・アソンを使う事が出来たことは大きかった。やはり非英語圏の外国人監督がハリウッドシステムで映画を撮るためには、制作サイドも一緒に持って行けるに越した事はないよなあ。

→ポン・ジュノ→クリス・エヴァンス→韓国、フランス、アメリカ/2013→ユナイテッドシネマとしまえん→★★★☆