監督:山崎貴
出演:神木隆之介、浜辺美波、永谷咲笑、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介
制作:TOHOスタジオ、ROBOT/2023
URL:https://godzilla-movie2023.toho.co.jp
場所:109シネマズ菖蒲

2016年に庵野秀明による『シン・ゴジラ』が作られて、そこで新しい「ゴジラ」の頂点とも云える作品を見せられてしまったので、しばらくは「ゴジラ」映画は作られないんじゃないかと勝手に推測していた。でも考えてみたら庵野版は、どちらかと云えば庵野秀明の色が濃く出たエヴァンゲリオン風「ゴジラ」映画であって、もっと原点に立ち帰った「ゴジラ」映画が作られても不思議ではなかった。

次に「ゴジラ」映画を作ったのは山崎貴だった。山崎貴の映画は『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)しか観たことがなくて、それは西岸良平の漫画の世界を映像化したビジュアルはとても良かったのだけれど、役者の演技があまりにもオーバーアクション気味なところが自分には合わなくて、その後の彼の映画を続けて見ようと云う気にはまったくはならなかった。

ところが「ゴジラ」と云うブランドは、その新しいものを見させようとするパワーが絶大で、山崎貴版でも、ちょっと観てみようかな、とおもわせるには充分だった。

で、観たのだけれど、ああ、やっぱりダメだった。例えば浜辺美波で云えば、彼女の魅力を引き出すのはツンデレ演技が一番であることを庵野の『シン・仮面ライダー』で知ってしまった。だから、この『ゴジラ-1.0』でのオーバーに感情を表現する彼女の演技にはまったく魅力を感じることができなかった。安藤サクラにしても、登場シーンからの感情をむき出しにさせる演出が、その後の神木隆之介との関わりを考えればまったく理解できなかった。

一つだけ良かったのは、明子(永谷咲笑)の演技だった。演技に無駄な感情はまったくいらない。

→山崎貴→神木隆之介→TOHOスタジオ、ROBOT/2023→109シネマズ菖蒲→★★★